サッカー選手やスキー選手に多い前十字靱帯断裂、実はわんちゃんでも時折発生します。
○事故や激しい運動などがきっかけで膝にある前十字靱帯という靭帯が断裂してしまう病気です。
○体重が重いわんちゃんは変形性関節症に移行するリスクが高いため、早期の診断と治療が必要です。
○前十字靱帯を断裂したわんちゃんの30-40%が、2年以内に反対側の前十字靱帯も断裂するため予後に注意が必要です。
複数の検査を組み合わせて診断します。
(鎮静などの処置が必要になることがあります)
○臨床症状
□バトレス徴候 □Tibia compression sign
□前方引き出し兆候 など
○X線診断
□骨棘の形成 □Fat pad sign
○関節液検査
□白血球の増加
○内科的治療(主に15kg以下が対象)
□減量による治療
□リハビリ(膝周りの筋肉を鍛える)
○外科的治療(主に大型犬が対象)
□前十字靱帯の再建
痛んだ前十字靱帯を除去し、人工前十字靱帯での再建を行います(Flo法)。
□内側半月板の切除
内側半月板が損傷(約50%で発症)している場合は疼痛の原因になるため同時に切除します。