○ 膝蓋骨(ひざこぞうの骨)という、膝関節にある骨が脱臼してしまう病気です。
○ この骨と付着する筋肉は、足の曲げ伸ばしに非常に重要な部分であるため、脱臼すると足を曲げたまま伸ばせなくなってしまいます。
○ 小型犬(トイ、ミニチュア種)で多い内方脱臼と大型犬で多い外方脱臼があります。
○ 脱臼が続くと骨の変形が起こり、ますます脱臼しやすくなってしまいます。
○ 周辺の靭帯(前十字靭帯)や反対側の足に負担がかかり、トラブルが起きることがあります。
○ 触診、X線検査によってグレードなどの診断を行います。
○ 症状のグレードによって内科的治療もしくは外科的治療が選択されます。
○ 内科的治療:
①減量による治療(ダイエット食・運動療法)
□ヒルズr/d □ヒルズw/d □ウォルサム減量サポート □ウォルサム満腹感サポート
②サプリメントの使用(コンドロイチン・グルコサミン)
②NDAIDsなどの投与(疼痛がある場合)
○ 外科的治療:
複数の術式を組み合わせて行います。
□ブロックリセッション(滑車溝深化術)
□内側支帯解放 / 縫縮
□外側支帯解放 / 縫縮
□脛骨粗面転移術
□関節外法による膝関節の安定化
グレード2と診断された膝蓋骨脱臼の手術例です。
手術前は膝蓋骨が簡単に内方脱臼してしまう状態でしたが、滑車溝深化術により脱臼が整復されました。