タマネギ中毒はタマネギ自体をあげなくても含まれたスープの煮汁などを与えると発症してしまいます。うっかりあげないように注意が必要です。
○タマネギ、ニンニク、ニラなどのネギ属に含まれる有機チオ硫酸化合物が赤血球に障害をあたえ、ハインツ小体と呼ばれる物質を形成します。この結果赤血球が簡単に壊れ、溶血性貧血を起こします。
○加熱された食品でも発症します。また少量であっても高カリウム血症で死亡する場合があるため注意が必要です。
○中毒量は個体差が大きく、秋田犬や柴犬などの日本犬はタマネギ中毒を起こしやすい犬種として知られています。また、件数は少ないですが猫でも報告されています。
血液塗抹中に見られるハインツ小体(赤矢印)
○タマネギ中毒特有の症状と血液検査で診断を行います。
臨床症状
□貧血
□黄疸
□可視粘膜蒼白
□ヘモグロビン尿
血液検査
□溶血性貧血
□ハインツ小体
□高カリウム血症
□ビリルビン(間接)の上昇
溶血性貧血
遠心血液で見られた溶血。上清(○)部分が赤く染まっています。
血色素(ヘモグロビン)尿
タマネギを誤食した翌日に確認されました。
○治療は対症療法(ビタミン剤・強肝剤の投与やすぐに吐かせる)が中心となります。重症の場合は輸血などを行います。